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ドル円は今後の見通しはどうなる?現在の為替レートや円安になる原因について解説

ドル円は、アメリカドルと日本円の通貨ペアを指します。

取引している人も多い通貨ペアなので、動向を知っておいて損はありません。

この記事では、ドル円の今後の見通しについて解説します。

現在の為替レートや円安になる原因も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

執筆時点でのドル円為替レートは147.8600

2024年2月7日現在、ドル円為替レートは147.8600円です。

ドル円為替レートの推移は、以下の通り。

時期 レート
2023年1月 130円前後
2023年4月 133円前後
2023年7月 140円前後
2023年10月 148円前後

130円前後から148円程度まで推移しており、円安が進んでいると分かります

1ヶ月前の9月5日時点では147円ほどでしたが、9月の後半に掛けてレートが上昇。

10月2日では149.8575と、150円台に到達するかの瀬戸際でした。

東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、この局面でレンジが非常に狭いのは驚きだとし、「介入警戒感もあるだろうが、むしろ介入でドル・円が下がれば買いたい参加者が多いのでは」と推察。米国金利の上昇が続く中で「ここまでくると海外市場にかけて150円を試す動きが出てくるのではないか」との見方を示した。

引用:円は対ドルで年初来安値、米金利上昇でドル高-150円目前で介入警戒 – Bloomberg

そこからレートは上がらず下降傾向ですが大幅な下降ではないので、再び上昇傾向し50円台に近づく可能性はあります。

今後の値動きに注目しながらドル円取引を実施しましょう。

目次

ドル円の今後の見通しを現在の状況から予想

ドル円の今後の見通しを、以下の2点から予想しました。

  • アメリカの利上げ
  • 物価指数

アメリカが利上げすると、円安になる傾向です。

利上げが抑えられていると円高になりやすく、ドル円の今後はアメリカの対応に左右されます。

物価指数は、消費者が購入する物品やサービスの総合的な価格水準を示す言葉です。

通用は景気がいいと上昇し悪ければ下降します。

ただし背景によっては、物価が上昇したのに景気が悪化するケースもあります。

背景もふまえた上で、物価指数をチェックしなければいけません。

アメリカの利上げは落ち着いている傾向にあり円高になる可能性

現時点で、アメリカの利上げは落ち着いている傾向にあると言えます。

2022年6月にアメリカの米消費者物価指数(CPI)が前年比9.1%に達したあと、下降傾向にあるためです。

CPIが下降傾向になると、物価上昇が落ち着いていると捉えられます。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月25・26日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げ(政策金利引き上げ)を全会一致で決めた。政策金利(FF金利誘導目標)は5.25%~5.5%と22年ぶりの高水準となった。

引用:サプライズなしのFRB利上げ再開(7月FOMC):注目は9月FOMCでのFF金利見通しに

利上げとは中央銀行による政策金利の引き上げで、景気の過熱やインフレの抑制を目的に実施する対策です。

現状はCPIが下降傾向になっているため、インフレが落ち着いたとも考えられます。

2023年に継続的な利上げが必要と、中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)が公表していました。

米国の金利政策は、FRBによって年8回開催される、連邦公開市場委員会(FOMC)で発表されます。

年8回実施され、2023年のFOMCは残り2回です。

第7回 ・10月31日
・11月1日
第8回 ・12月12日
・12月13日

第6回~8回のうちに0.25%の利上げが予定されていたものの、9月に実施された第6回の委員会では金利が据え置かれました。

第7回または第8回で、利上げが発表される可能性も残されています。

アメリカの利上げが年内で落ち着けば、来年以降は利下げへと移行し、円高が進むと予想可能です。

米国の利上げについては、FOMCの発表に注目しましょう。

物価指数は毎月上昇している傾向にある

日本の物価指数は、以下の通りほぼ毎月上昇傾向です。

時期 消費者物価指数
1月 104.7
2月 104.0
3月 104.4
4月 105.1
5月 105.1
6月 105.2
7月 105.7
8月 105.9

とはいえ景気回復の兆しとはいえず、以下の原因で物価が上昇しています。

  • コロナ禍からの回復が遅れている
  • ウクライナ情勢の影響で原油や穀物の価格が上昇している
  • 円安の影響で輸入品が値上がりしている

物価が上がるとお金の価値が下がり、さらに円安が進みます。

現在日本では金融緩和政策を実施中で、円安に歯止めをかけるために見直しを求める声も。

しかし現段階では景気回復の遅れの原因になる可能性を考慮して、利上げは予定されていません。

アメリカの利下げによって円安に歯止めがかかる可能性はある一方で、物価が上がり続ければ円安が進む可能性も考えられます。

来年の予想レンジは136円から147円

現時点で分かる来年の予想レンジは、以下の通りです。

2014年1月~3月時点 136円から147円※
4月~6月時点 133円から144円

(参考:ドル円相場の見通し ー日米の金融政策を中心にー

アメリカの金利引き下げの可能性と、日本の金利操作の影響を考慮して、予想が出されています。

ドル円為替レートが150円台に乗った後、一時的に円を買い戻す激しい動きが見られました。

日本政府が過度の円安進行を抑えるために為替介入をして、円を買い戻した可能性が指摘されています。

政府は150円台を意識している可能性が高いです。

予想レンジも高くて144円~147円なので、イレギュラーが発生してもレートが150円を超える可能性は低いでしょう。

AIからドル円の今後の見通しを予測

現在の状況だけでなく、AIからもドル円の今後を予測してみます。

投資の森で最新の予想を見たところ、2025年3月に最安値である132.42円に到達する結果を確認できました。

2023年10月5日現在から約1年~2年後に最安値となる計算なので、2024年の間は最安値を期待できないでしょう。

5年後や10年後など、遠い未来の状況はAIでも把握が難しいため、定期的にAI予想を確認し今後どうなるかをイメージしましょう。

過去に起きたドル円の変動要因

過去に起きたドル円の変動要因は、以下の通りです。

  • 2008年のリーマンショック
  • 2012年の経済回復
  • 2016年のトランプ大統領就任
  • 2022年の戦争や利上げ

ニュースになるような大きい出来事が起きると、ドル円も大きく変動しやすいです。

リーマンショックのような経済危機が発生すると、円高になる傾向。

逆に経済回復では、円安になる傾向にあります。

それぞれの変動要因を確認し、今後の世界情勢からドル円予想する術を身につけましょう。

2008年はリーマンショックで過去最高円高になった

2008年は、リーマンショックにより過去最高円高になりました。

2008(平成20)年9月15日、米国の大手金融「リーマン・ブラザーズ」が倒産しました。世界的な金融不安が発生し、日本でも株価が暴落し、リーマンショックと呼ばれました。

 発端は米住宅バブルの崩壊です。安全とされてきた住宅ローンをまとめた証券化商品が、ローンの焦げ付き多発を受けて2007年夏ごろから暴落。この分野に力を入れていたリーマン・ブラザーズは損失に耐えきれず、総額6,000億ドル(64兆円)という世界最大の負債を抱えて倒産しました。
引用:米リーマン・ブラザーズ倒産、世界は金融不安に

リーマンショックとは、アメリカの有力投資銀行が倒産し、世界的な株価下落や金融危機、同時不況が起こった出来事です。

リーマンショックが起きた後に、トレーダーが安定している日本円を買い始める事態に。

2011年の東北大震災が要因で、外貨を日本円に戻す動きも活発化しました。

円買いを加速する動きにより、過去最高円高を記録しています。

2012年はアベノミクスと米国経済回復で大幅な円安に

2012年は、アベノミクス政策によって大幅な金融緩和が実施されました。

結果的に、2013年から2015年にかけて円安傾向になりました。

さらに、2009年にはオバマ大統領が就任し、経済政策を実施。

米国経済が回復したのも、円安に影響したと推測されています。

ドル円は1ドルあたり80円前後でしたが、この時期には124円台まで上昇しました。

2016年はトランプ大統領が就任し円安になったが一時的

2016年はトランプ大統領が就任し、ドル円にも影響を与えました。

アメリカの利上げも伴って、2016年末からチャートが大きく上昇し、118円になるまで円安が進みました。

日本では黒田総裁によって金融緩和がスタートし、景気回復が期待された時期でもあります。

しかしトランプ大統領の収入による円安は一時的で、結果的にチャートが再度下降しています。

2022年は戦争やアメリカの利上げが原因で円安に

2022年は、アメリカが段階的な利上げを発表した年でもあります。

同時期にウクライナ侵攻が始まり、ロシアからの原油供給が難しい状態になり、結果的に世界的なインフレが進んでいます。

アメリカは利上げによる金融政策を実施したものの、日本は利上げを行わず、アメリカと大きな金利差が発生しました。

これらの要因が重なり、1990年から32年ぶりに1ドル150円を突破しています。

ドル円は米ドルと日本円の通貨ペアを指す言葉

ドル円は、米ドルと日本円の通貨ペアを指す言葉です。

通貨ペアの中でも世界第2位の取引量で、ほかの通貨ペアと比較して値動きも少なく、価格が安定しやすいです。

通貨ペアシェア推移表

(参考:国際通貨研レポート│国際通貨研究所

ドル円を語る上で欠かせないのが、円高や円安。

米ドルに対して日本円が高いと円高、安いと円安になります。

例えば1ドル100円から1ドル135円になると、円安が進んだと判断する仕組みです。

1ドル100円のときは、100円あれば1ドル取得できます。

1ドル135円なら、1ドルを取得するのに135円かけなければいけません。

円の価値が下がるため、円安と判断されます。

経済状況が好調だと円高になりやすい

ドル円では、日本の経済状況が好調だと円高になりやすいです。

円高は、ドルに対して日本円の価値が上がった状態。

日本の経済状況がいいと、期待が高まって外国からの投資が増え、円高になります。

円高になる要因は、主に以下の4つです。

  • 投資家に円が買われる
  • アメリカの金利が下がる
  • 外国人の観光客が増える
  • 日本からの輸出が増える

日本にとってプラスの経済状況になると円高になりやすく、アメリカの金利が低くなると円高になります。

アメリカの金利 米ドル 日本円
下降 ドル安 円高
上昇 ドル高 円安

利下げが行われるのは景気の悪化を意味していて、アメリカへの期待値が下がるためです。

円安になる原因は主に4つ

円安になる原因は、以下の4つが挙げられます。

  • 投資家から日本円が売られる
  • アメリカの金利が上がる
  • 日本人観光客が増える
  • アメリカからの輸入が増える

円高とは反対に、日本の経済状況が悪くなると円安になりやすい傾向。

日本に対する期待値の低下に伴い、ドル円に対して円の価値が下がります。

経済状況
円高 良い
円安 悪い

円安かどうかで日本の経済状況をある程度把握できます。

2022年から世界的な利上げが行われており、米ドルとの金利差から日本は円安の状況です。

よって、現在の経済状況はどちらかと言えば悪いと判断できます。

ドル円の為替レートが変動する原因は主に4つ

ドル円の為替レートは、以下の原因で変動します。

  • アメリカの金利対策
  • 景気動向
  • 為替介入
  • 世界情勢

円は、アメリカの金利対策で為替レートが変動します。

米ドルの価値が高ければ円安になり、低ければ円高になるためです。

米ドルの価値に関わらず、景気動向も為替レートが変動する要素です。

為替介入は、レートが大きく動く要因として知られています。

ドル円は他国の影響を受けやすいため、世界情勢もレートが変動しやすい原因です。

アメリカの金利対策で円の価値が変動する

円の価値は、アメリカの金利対策で変動します。

金利対策により、通貨の需要と供給のバランスが変わるためです。

アメリカが金利を引き上げる理由は、物価高やインフレを防止するため。

為替相場では金利の高い通貨が取引されやすくなり、アメリカの経済状況が良くなります。

例として、2022年はアメリカが複数回の利上げを実施し、高金利なドル買いが増加。

急激にドル高となり、逆に日本は円安になりました。

アメリカは、連邦公開市場委員会(FOMC)と呼ばれる会議を年8回開催し、金利政策を公表しています。

ドル円の状況を知るためにも、積極的にチェックしましょう。

景気動向も円の価値が変わる要因

景気は為替と切っても切れない関係で、アメリカと日本の景気動向も円の価値が変わる要因です。

アメリカの景気が良くなって経済が活性化すれば、アメリカにお金を入れたい人が増え、結果的に米ドルの価値が高まります。

アメリカの景気が良くなると円安に、悪くなると円高になる仕組みです。

景気動向指数や実質GDP成長率で、景気動向の指標を確認できます。

円の価値はアメリカの景気に左右されるため、アメリカの雇用統計には特に注目しましょう。

  • 雇用者数が市場予想を上回っている
  • 失業率が市場予想を下回っている

雇用されている人が多く失業率も低ければ雇用が活性化している状態で、景気がいいと捉えられます。

雇用統計の結果が良ければ米ドルが買われやすく、悪ければ売られやすい傾向です。

雇用統計は、毎月第1金曜日に米国労働省が結果を発表します。

景気を確認するためにも、必ずチェックしましょう。

為替介入はレートが大きく動きやすい

為替介入が行われると、レートが大きく動きやすいです。

為替介入とは、通貨当局が外国為替の売買を行う行為。

為替相場の大きい変動を抑え、安定化させる効果が期待できます。

2022年は、1ドルが151円台になるほどのドル高円安がありました。

この事態を受け、日本政府と日銀は8月以降に円買いの為替介入を実施。

1ドルが151円台から144円台になるまで、円高が進みました。

1ドル150円台以上になるなど、異例の事態にならなければ為替介入は行われません。

滅多に起こらないとはいえ、為替レートの動きが大きくなるため、念のため意識する必要があります。

ドル円は世界情勢の影響を受けやすい

ドル円は、世界情勢の影響を受けやすい通貨ペアです。

ドル円が世界情勢の影響を受けやすい理由は、米国が経済の中心であるため。

  • ロシアのウクライナ侵攻
  • 中国の不動産ブーム崩壊

最近では上記によって、各国の景気が低迷。

価格が高騰する原油や天然ガスを買うために、ドルの必要性が高まりました。

米ドルは流動性が高く取引量も多いため、相場の変動は大きくありません。

中国の不動産ブーム崩壊によって需要が減ると、安定性のある通貨としてドルを購入する動きが予想されます。

結果的に、現在は世界中でドルを買う人が増えている傾向にあります。

米ドルが高くなれば、円安が進む仕組みです。

逆に世界情勢が良ければ、ドルを買う人が減るため、円高に繋がります。

アメリカと輸出入による繋がりが強い国の経済状況によって、米ドルの価値は変動しやすいです。

アメリカと繋がりが強い国の経済状況も、チェックするのがベストです。

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